一方で、この地図を「宝の山」として活用する層も台頭している。長引くインフレと実質賃金の低迷に苦しむ都市部の若者たちだ。彼らにとって、家賃が3割から半額近くまで下がる事故物件は、生活水準を維持するための賢い選択肢となっている。
「幽霊よりも、毎月の家賃の支払いに追われる方がよっぽど怖い」。都内のIT企業に勤める20代の男性は笑う。彼は地図で入念に「事故の内容」を調べ、自然死や発見が早かった物件を狙い撃ちにして契約したという。事故物件専門の仲介サイトも繁盛しており、かつてのマイナスイメージを逆手に取った合理的なライフスタイルが定着しつつある。