『ドクターX』が日本の医療ドラマ史上屈指のロングヒット作となった要因の1つに、大門未知子(米倉涼子)と城之内博美(内田有紀)の稀有なバディ関係があります。第1シリーズ当初、博美は帝都医科大学付属第三病院に勤務するシングルマザーの麻酔科医でしたが、未知子の卓越した技術と信念に共鳴し、フリーランスへ転身。神原名医紹介所に所属する形となりました。
博美の存在は、外科医のスタンドプレーになりがちな医療ドラマにおいて、患者の全身状態を管理する麻酔科医の重要性を世に知らしめる契機にもなりました。手術室で未知子がメスを握る際、博美が発する「バイタル安定してます」「血圧下がってます、未知子急いで」といった的確な報告は、緊張感あふれるオペシーンに不可欠なリズムを生み出しました。
現場関係者の証言によると、撮影現場における米倉涼子と内田有紀のコンビネーションは、初期から特別なものだったと語られています。主演の米倉自身もインタビューで「有紀ちゃんが手術室の隣にいてくれる安心感があるからこそ、大門未知子として堂々と立っていられる」と公言。互いに多くを語らずとも視線ひとつで意図を察し合える関係性が、10年以上の歳月をかけて画面越しにも伝わる本物の信頼感へと昇華していきました。