秋口から本格化した日本放送協会によるオファー合戦は、例年以上に難航を極めた。制作チームのトップが直々に事務所へ日参し、特別な演出枠や持ち時間の拡大を提示したものの、首を縦に振らないトップアーティストが続出したのだ。背景には、タイアップやテーマソングの提供といった貢献度に見合う演出プランを巡る、ぎりぎりの駆け引きがあった。
関係者の証言によれば、NHK側が提示した「伝統的なメドレー構成」に対し、アーティスト側が「最新のフル尺演奏と独自の世界観」を頑なに要求したという。互いのプライドが衝突した結果、妥協点を模索する水面下の交渉劇は決裂。単なるスケジュールの都合という表向きの理由の裏には、表現の自由度をめぐるシビアな対立が潜んでいた。