富士山の活動史を紐解くと、過去5000年間にわたって平均して数十年に1度、規模の大小を問わず噴火を繰り返してきました。しかし、1707年12月16日に始まった宝永噴火の歴史と教訓を最後に、300年以上の長期にわたる休止期に入っています。火山学者や防災関係省庁が「いつ噴火しても不思議ではない」と警告を鳴らす最大の理由は、地下のマグマ供給自体が止まったわけではないためです。
東京大学地震研究所などの研究調査によると、富士山の地下約15〜20km付近には巨大なマグマだまりが存在し続けています。長い沈黙はエネルギーの減衰を意味するのではなく、むしろ内部で揮発性ガスやマグマが圧力を蓄積している状態である可能性が指摘されています。
地質学的な富士山噴火の確率を論じる際、「明日起きる確率」をピンポイントで数値化することは現在の地球物理学でも不可能です。しかし、過去の噴火間隔の統計とマグマの蓄積状態から見て、中長期的な発生確率は極めて高い水準にあるというのが研究者の一致した見解です。