日本国内においてハンガーストライキが社会問題化する代表例が、出入国在留管理庁の施設における入管ハンガーストライキです。仮放免の不許可や長期収容に対する抗議として、被収容者が自発的に食事を拒否する事態が相次いで報告されています。
現場では被収容者の生命維持をめぐり、強制給餌問題という重大な倫理的対立が発生しています。強制給餌とは、鼻や口から胃へチューブを通し、本人の意思に反して流動食を流し込む医療的処置を指します。管理当局側には「施設内での死亡事故を防ぐ保護義務」がある一方、医療倫理の金字塔である世界医師会の「東京宣言(1975年)」および「マルタ宣言(1991年)」では、明確な判断能力を持つ成人の自由意志に基づく拒食に対し、強制給餌を行うことは非人道的な拷問に準ずる行為として厳格に禁止されています。
支援者や弁護団による報告書では「強制給餌のチューブ挿入時に激痛と屈辱感を味わった」とする証言がある一方、現場の医療従事者からは「目の前で人が衰弱死していくのを医師として放置できない」という苦悩の声も聞かれ、生命倫理と自己決定権の衝突は今なお解決を見ない深刻な対立点となっています。