海底火山が破局的な噴火を起こした場合、日本が直面する被害は複合的かつ広域に及びます。もっとも差し迫ったリスクは、爆発的なエネルギーによって海水が一気に押し上げられる津波です。通常の地震性津波とは異なり、海底火山の噴火では山体崩壊やカルデラ陥没、衝撃波(空振)など複数の要因が絡み合い、計算困難な波浪が沿岸を襲います。
気候変動への影響も見逃せません。海底から大量の水蒸気や二酸化硫黄が成層圏に達すると、地球規模の気温変化がもたらされます。二酸化硫黄が硫酸エアロゾルを形成して太陽光を遮断すれば寒冷化を招き、膨大な水蒸気は強力な温室効果ガスとして一時的な異常高温を引き起こす可能性があります。最新のシミュレーションによれば、日本の主要港湾への軽石漂着による物流麻痺、航空路の遮断、電力インフラへの打撃など、都市機能を麻痺させる多重リスクが予測されています。