文房具市場において、貼ってはがせるシール帳の存在感がかつてない高まりを見せています。背景にあるのは、単なる懐古趣味にとどまらない、大人の創作意欲や整理整頓ニーズとの融合です。かつて平成の駄菓子屋や文具店でキラキラシールを交換し合っていた世代が、経済的自由を得て再びコレクションを再開する動きが顕著になっています。
実際に愛用している30代の女性コレクターは、取材に対して次のように語っています。
「子どもの頃は一度ノートに貼ってしまったら二度とはがせず、後悔することが多々ありました。現在のはがせるシール台紙リフィルなら、眺めて楽しんだ後、手帳やスマートフォンケースに自由に貼り替えて再利用できます。『使いたいけれど、もったいなくて使えない』という長年の葛藤から完全に解放されました」
さらに、スマートフォンの画面ばかりを見つめる生活から離れ、手を動かして物理的な紙やシールに触れる作業が「デジタルデトックス」や「マインドフルネス」の一環として評価されている点も見逃せません。一枚一枚の配置を考え、色合いを揃えてページを作り上げるプロセスそのものが、忙しい現代人のリフレッシュ手段として機能しています。