多くのファンを魅了してやまないのが、彼のルーツである音楽コメディの世界だ。「作詞作曲ものまね」やヒット曲の構造を徹底的に分析したパロディ楽曲は、単なる形態模写の領域を遥かに超越している。コード進行、歌詞のクリシェ、歌唱法の癖を完璧に理解していなければ成立しない、知性と技巧の結晶だ。
所属する株式会社ワタナベエンターテインメントの分厚いタレント層の中でも、彼のポジションは明らかに異彩を放っている。お笑いという枠組みを音楽理論でハックし、逆に音楽シーンの権威を笑いで相対化する。そのアプローチは、ミュージシャンたちからも畏敬の念を込めて称賛されている。
音で笑わせ、音で唸らせる。観客は彼のステージで爆笑しながら、同時にポップミュージックの深遠な構造に気付かされる。批評とエンターテインメントの高次元での融合がここにある。