愛猫の健康を守るためには、ネット上や昭和・平成期に広まった誤った飼育常識を是正しなければなりません。
誤解1:猫は魚が好きだから魚だけ与えておけば良い
「猫=魚好き」というイメージは日本固有の食文化が投影された俗説に過ぎません。青魚(サバ、アジ、イワシなど)に多く含まれる不飽和脂肪酸を過剰摂取すると、体内のビタミンEが破壊され、腹部の皮下脂肪が炎症を起こす「黄色脂肪症(イエローファット)」を引き起こし、激しい痛みを伴います。また、マグロやカツオの多食はマグネシウム過多による尿路結石リスクを高めます。栄養バランスが設計された総合栄養食の選定が不可欠です。
誤解2:猫は孤独を愛するから長時間の留守番も平気
単独生活者であった歴史から「猫は放置してもストレスを感じない」と誤認されがちですが、家庭環境で育った現代の飼い猫は、飼い主に対する愛着行動を明確に示します。長時間の放置や急激な環境変化は、過剰なグルーミングによる脱毛、粗相、執拗な夜鳴きを伴う「分離不安症」を発症させる重大な要因となります。