工藤静香さんが本格的に洋画家としての道を歩み始めたのは、1990年に油絵「朝の香り」で第75回二科展に初入選を果たした瞬間からでした。当時、トップアイドルとして多忙を極める最中での快挙は大きな話題を呼びましたが、彼女の挑戦は一過性の話題作りにとどまりませんでした。
初入選以降、ほぼ毎年のように大作を描き上げて出品を継続。2010年の第95回記念二科展では、出品作「瞳の奥」で見事に「特選(絵画部特選)」を受賞しました。特選は、全出品者の中でもごく限られた上位作品にしか与えられない権威ある賞です。この受賞を機に、彼女は二科会の「会友」に推挙され、さらに2016年には会友賞を受賞するなど、画壇において着実にステップアップを果たしてきました。
油絵の代表的な作品一覧を振り返ると、女性の横顔やまなざし、月、蝶、咲き誇る花々などをモチーフにしたF100号(約162cm×130cm)クラスの超大作が並びます。多忙な芸能活動の合間を縫い、30年以上にわたって100号サイズの大キャンバスに向かい続けてきた継続力そのものが、画家としての確固たる基盤となっています。