潮が引き、浅瀬が露わになると、宮島はまったく別の表情を見せ始める。潮位が100cmを下回ると、それまで海に沈んでいた砂浜が出現し、沖合に立つ大鳥居まで歩いて渡ることができるようになる。数年にわたる大規模な「厳島神社大鳥居修繕事業」を経て見事に生まれ変わった大鳥居は、間近で見上げるとその迫力と美しさに圧倒される。
高さ約16メートル、重さ約60トンにも及ぶ主柱が自重だけで海底の泥の中に立っている構造を、直に観察できるのは干潮時だけの特別な体験だ。柱の根元に飾られた貝殻や、何百年もの時を耐え抜いてきた木肌の力強さを間近で感じることで、建築技術の凄まじさに改めて深い感銘を受けるだろう。