昭和から平成にかけて、都市部の幹線道路では景観保全や対向車のハイビームによる眩しさを防ぐ目的で、生け垣などの「緑化分離帯」が数多く設置された。しかし今、全国の自治体でこの緑地を相次いで撤去する動きが加速している。
最大の理由は、自治体の財政難と深刻な人手不足、そして作業員の安全確保だ。走行中の交通を遮断して剪定や除草作業を行うには莫大なコストがかかる上、作業員が跳ねられる惨事も後を絶たなかった。さらに、放置された雑草が視界を遮り、歩行者の急な横断を見落とす原因にもなっていた。
現在では、緑地を撤去して完全な遮光性アクリルパネルや高機能コンクリートに置き換える事業が主流だ。味気ないという声もあるが、維持費のカットと現場作業員の命を守るための、現実的かつ不可避な選択と言える。