全国に点在する公立美術館の多くが郊外の緑豊かな公園内に建つなか、この館はあえて街の心臓部に腰を据えている。全長2.7キロメートルに及ぶ高松中央商店街のほぼ中央に位置し、日常の買い物の延長線上に美術館のエントランスが口を開けている。この距離感の近さが面白い。
買い物袋を提げた地元の人々がふらりとロビーを抜け、現代アートの最前線に触れていく。敷居の高さを感じさせない開かれた構造でありながら、展示室内には極めてストイックなキュレーションが息づいている。都市の喧騒と現代アートの緊張感が隣り合わせになったこのコントラストこそ、世界中のキュレーターやアーティストが魅了される理由だ。