彼女の真骨頂であるパリ・コレクションのランウェイにおいて、179cmという身長はアジア人モデルが世界の壁を打ち破るための強固な武器となった。欧米のスーパーモデルたちがひしめくバックステージで、冨永愛が唯一無二の評価を獲得できたのは、単に背が高いからだけではない。
一歩踏み出すごとにしなやかに動く筋肉、そしてランウェイの最奥まで視線を引きつける強烈なオーラ。現場のファッション関係者は「彼女が歩くだけで服の立体的なシルエットが完璧に表現される」と口を揃える。服に着られることなく衣服に命を吹き込むキャットウォークは、世界最高峰の舞台で研ぎ澄まされた表現力の賜物だ。