ネット上や知恵袋などで頻繁に話題となる「リボ払い地獄」という言葉。なぜこれほど多くの人が返済の泥沼に陥ってしまうのか、国民生活センターの相談事例や元利用者の手記からそのカラクリが見えてきます。
最大の原因は、多くのクレジットカードで標準採用されている「残高スライド元利定額方式」にあります。
残高スライド方式が仕掛ける巧妙な心理トラップ
残高スライド方式とは、利用残高の増減に応じて毎月の最低返済額(ミニマム・ペイメント)が自動的に変動する仕組みです。例えば、残高が10万円未満なら月5,000円、10万円超〜30万円以下なら月10,000円、30万円超〜50万円以下なら月15,000円といった形で設定されます。
一見すると利用者に配慮した設計に見えますが、ここに行動経済学でいう「現在バイアス(将来の大きな損失よりも現在の身近な利益を過大評価する傾向)」が重なります。残高が30万円に達しても月々1万円の引き落としで済むため、利用者は「借金が増えている」という危機感を抱きにくくなります。
大手カード会社のカスタマー窓口に寄せられた利用者の告白録には、次のような生々しい声が残されています。
「毎月1万5,000円ずつ2年間きっちり口座から引き落とされていたので、残高はほとんど残っていないと思い込んでいました。Web明細を確認して驚愕しました。支払った36万円のうち、半分近くの約16万円が手数料に充当されており、元金は20万円しか減っていなかったのです」
借入残高が減らないうちに新たな買い物をリボ払いで追加すると、毎月の返済額のほとんどが利息の支払いに消え、元金返済が完全にストップする「利息だけを払い続ける無限ループ」が完成します。