市販のプラスチック玩具を量産してきた知育玩具製造業のエンジニアたちも、こうした手作り楽器の持つ教育的側面に熱い視線を注いでいる。文部科学省が掲げる幼稚園教育要領や保育所保育指針でも、「豊かな感性と表現」「思考力の芽生え」を育むアクティブな探求が重視されているためだ。
「テープを重ね貼りしたら音が低くなった」「段ボールの厚みを変えたら響きが柔らかくなった」――こうした微細な発見は、幼児にとって最初の音響物理学の実験に他ならない。与えられた完璧な音をただ受け取る受け身の姿勢から、自ら音をデザインする能動的な学びへの転換。それこそが、廃材を使った手作り楽器が現代において強く求められる理由だ。