ファラオ名盤ブラックユニティ徹底解剖!怒濤のツインベースと再発の真相の総合ガイドをお届けします。役立つ情報がチェックできます。
本作の凄まじい推進力を生み出した最大の要因は、二度と再現不可能なBlack Unity 参加メンバー経歴と、その変則的なアンサンブル編成にあります。録音を担当したニューヨークのA&Rスタジオには、当時最前線で頭角を現しつつあった気鋭のミュージシャンたちが集結していました。
プレイヤー名担当楽器当時の経歴・立ち位置編集部の見解・演奏のポイントファラオ・サンダーステナーサックス、バラフォン後期コルトレーン・グループを経てインパルスの看板スター魂を削り落とすような激烈なスクリームと求道的なリーダーシップセシル・マクビーアコースティックベースチャールス・ロイドらの名演で知られるモーダル/フリーの巨匠地を這う重低音で執拗なリフを刻み続ける不動のアンカー役スタンリー・クラークアコースティックベース当時20歳、リターン・トゥ・フォーエヴァー結成直前の若武者驚異的な跳躍力と弓弾き(アルコ)でマクビーの低音に対抗カルロス・ガーネットテナーサックス、フルートパナマ出身、後にマイルス・デイヴィス『On the Corner』に参加ファラオと熾烈なインタープレイを繰り広げるラテン・ソウル味のブロウハンニバル・ピーターソントランペット驚異のハイノート・ヒッターとして注目を集め始めた新星天空を突き刺すような鋭利なハイトーンで混沌を切り裂くジョー・ボナーピアノファラオ作品の常連にして情熱的なモーダル・ピアニスト怒濤のリズムセクションに色彩と叙情的な和声を注ぎ込むビリー・ハート &
ノーマン・コナーズドラムス(ツインドラム)70年代ジャズ界の心臓部を担う名手ふたりローレンス・キリアンのコンガとともにポリリズムの渦を形成
中でも特筆すべきは、セシルマクビー ベース演奏の圧倒的な求心力と、若きスタンリークラーク参加作品としての鮮烈な存在感です。マクビーが定礎のように重いリフを執拗に反復し続ける一方、スタンリー・クラークはまるで獲物を狙う野獣のようにハイポジションを駆け巡り、弓弾きで異様な倍音を撒き散らします。ふたつの巨躯がアコースティックベースの弦を叩きつけるように鳴らすツインベースの衝突は、単なる低音の補強ではなく、音の地盤沈下を引き起こすほどの凄まじい音圧を獲得しています。
さらに、直後にマイルスの歴史的問題作『On the Corner』に抜擢されるカルロスガーネット共演のパートでは、テナーサックス2本が互いの喉笛笛を噛み千切らんばかりのバトルを展開。パナマ育ちのガーネットが持ち込んだカリブ・アフリカンな野性と、ファラオの宇宙的スピリチュアリズムが衝突し、演奏のボルテージを極限まで押し上げています。