医学的に極めて重要な概念が、「確定的影響」と「確率的影響」の区別です。外見が崩れたり皮膚がただれたりするような組織の破壊はすべて確定的影響に分類され、一定以上の線量(しきい値)を浴びない限り100%発症しません。
放射線障害の発生しきい線量(一度に浴びた場合):
- 一時的な脱毛:約3,000ミリシーベルト(3シーベルト)以上
- 急性放射線症による吐き気:約1,000ミリシーベルト(1シーベルト)以上
- リンパ球の一時的減少:約250〜500ミリシーベルト以上
- 一般人の年間自然放射線量:世界平均で約2.4ミリシーベルト
2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の際、地域住民や一般環境における放射線量は、急性放射線症や重篤な皮膚障害を引き起こすレベル(数千ミリシーベルト)とは桁が異なりはるかに低い水準でした。国際連合放射線影響科学委員会(UNSCEAR)の報告書においても、福島原発事故による一般住民の被曝において急性放射線障害が確認された例はゼロであると明記されています。
「原発事故の周辺を歩いただけで皮膚がボロボロになる」といった言説は、物理的・医学的な事実関係から完全に否定されるものです。