この巨大な犯罪システムは、エプスタイン単独の力で構築されたものではない。英国メディア王の令嬢として生まれ、上流階級の社交界に深く食い込んでいたギレーヌ・マクスウェルの存在が、システムの円滑な運用に不可欠だった。
マクスウェルは、社会的地位を誇示して若い女性たちを巧みにリクルートし、心理的に孤立させながら組織へと従属させる「調達役」として暗躍した。彼女の持つ貴族社会や政界へのパイプは、エプスタインに莫大な信用と人脈をもたらす決定打となった。
さらに、事件の背後には国際金融界の莫大な資金移動が複雑に絡み合っている。メガバンクやヘッジファンドの幹部たちがエプスタインの不透明な資産管理に加担し、怪しげな資金洗浄や巨額の口座取引を見逃していた事実が相次いで発覚。富裕層同士の利害関係とマクスウェルが張り巡らせた人脈網が、何重もの防壁となって警察や司法の追及を数十年にわたり阻み続けた。