Netflixで世界的な大ヒットを記録したドラマ『全裸監督(The Naked Director)』は、バブル期のAV業界黎明期を熱狂的なエンターテインメントとして描き出し、カルチャーとしての消費を促した。しかし、その華々しい演出の陰で、実際の制作現場に存在した暴力性や人権侵害の歴史が美化・矮小化されて伝わった側面は否めない。
これに対し、近年の調査報道・社会派ドキュメンタリーは、エンタメのヴェールを剥ぎ取り、生身の女性たちが直面してきた尊厳の破壊とトラウマを生々しく告発し始めている。メディアが刺激的なコンテンツとして消費する裏で、どれほど深刻な人権侵害が見過ごされてきたか。虚構と現実のギャップを冷静に見つめ直す視座が、受け手である社会全体にも強く求められている。