『エンタの神様』は数多くのスター芸人を輩出しました。ブレイク直前のサンドウィッチマンが披露した「街頭アンケート」のコントや、東京03、NON STYLE、バイきんぐといった後の賞レース王者たちもこの舞台で実力を証明しました。
しかし、ネット上のコミュニティや当時の芸人自身の証言からは、番組独自の過激な「演出方針」に対する功罪両面が浮かび上がります。
最大の特徴は、徹底した「ネタの短縮・テンポアップ」と「テロップ(字幕)の全編挿入」でした。バラエティ番組の総合演出を手掛けた五味一男氏の哲学に基づき、視聴者がチャンネルを変えないよう、ボケとツッコミのタイミングに合わせた文字演出が施されました。
この演出は「小さな子どもや高齢者でも一瞬で理解できる」という大衆性を生み出し、瞬間最高視聴率20%超えを連発する原動力となった一方、芸人の間では「間(ま)を削られた」「本来のネタの味付けを変えられた」という葛藤も生みました。芸人の個性を記号化して急速にブーム化させるシステムは、一発屋と呼ばれるタレントを大量消費する側面を持っていたことも、当時のメディア環境を検証する上で避けて通れない事実です。