この致命的な病原体に対する大衆の恐怖と関心は、メディアやポップカルチャーを通じても拡大してきた。1990年代に話題を呼んだドラマ『ホット・ゾーン』は、米軍の研究所で発生したウイルス恐怖を真迫の描写で描き、世界中に強いショックを与えた。
近年でも、Netflixなどの動画配信プラットフォームでパンデミックをテーマにしたドキュメンタリーやドラマ作品が数多く制作され、未知のウイルスに対する関心が衰えることはない。しかし、映像の中のスリリングな展開とは裏腹に、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)などの公的機関が現場で直面する現実は、泥臭い公衆衛生の地道な作業だ。バイオセーフティレベル4(BSL-4)という最高度の隔離施設で防護服に身を包む研究者たちの日常は、常に隣り合わせの死との静かな戦いでもある。