半蔵門線が開通した1970年代後半から1980年代にかけて、建築現場では耐火性や断熱性に優れたアスベスト吹付け材が極めて一般的だった。当時施工された遮音壁や天井裏の構造体は、封じ込め処理や囲い込みによって安全が保たれてきたとされる。
しかし、2026年に入り直近の構造点検データが改訂されたことで状況が一変した。トンネル内を走る列車の風圧や微粒子振動が、数十年前に施された封じ込め層の表面に僅かな亀裂を生じさせている可能性が浮上したのだ。目視検査だけでは把握しきれない微細な変形が、今回の再点検を引き起こす直接のきっかけとなった。