日本復帰後の道のりは、決して順風満帆な花道ばかりではありませんでした。2026年パリオリンピックの直前に見舞われたふくらはぎの肉離れは、渡邊選手の身体に大きな負担を残していました。満身創痍の状態で挑んだ五輪本番、強豪フランスを相手に歴史的善戦を演じた激闘の代償として、Bリーグ開幕直前までコンディションの再構築を余儀なくされたのです。
千葉ジェッツ加入当初、ファンやメディアからは「NBA仕込みのスコアリングを毎試合量産するのではないか」という過剰な期待が寄せられました。しかし、コートに戻ってきた渡邊選手が見せたのは、単なる個人技の誇示ではなく、徹底したフォア・ザ・チームの献身でした。長身を生かした強固なリバウンド、相手エースを封殺するペリメーターディフェンス、そして富樫勇樹選手のドライブから供給されるパスを沈める高精度のコーナースリーなど、NBA仕込みの役割遂行能力でチームの土台を支えたのです。
シーズンが進むにつれ、コンディションが100%へと近づくと、自らボールをプッシュしてファストブレイクを完結させるプレーや、ポストアップからのフェイダウェイジャンパーなど、NBAでは封印せざるを得なかったクリエイティブなオフェンス力を次々と解禁。ホームの「LaLa arena TOKYO-BAY」に詰めかけた1万人超のブースターからは、渡邊選手がコートに立つだけで地鳴りのような歓声が湧き起こっています。現地記者の間でも、「数字上のスタッツ以上に、渡邊がいる時間帯のディフェンシブレーティングが異次元である」と極めて高い評価が定着しています。