世の中にいわゆる「お笑いソング」と呼ばれる楽曲は数多く存在するが、浜田雅功が歌う楽曲が特別な位置を占めている理由は、彼自身の圧倒的な声の存在感にほかならない。プロの歌手のようなテクニカルなビブラートやピッチの完璧さとは異なる、魂を削るようなストレートな歌唱法が特徴だ。
哀愁と力強さが同居したそのボーカルは、聴く者の防波堤をあっさりと乗り越えて感情を揺さぶる。バラエティ番組で見せる強烈なドタバタ劇やツッコミの姿とのギャップも相まって、彼がマイクを握った瞬間に生まれるドラマ性は、歌謡曲が持っていた本来の「情念」や「人間味」を現代に伝える貴重なアイコンとなっている。