朝食の概念を根底から揺さぶる「ドリンク代のみ」のサービス。一般的なカフェであればコーヒー代500円でついてくるのはせいぜいゆで卵と一口サイズのパン程度だろう。だが、岐阜県内の秘密の名店に一歩足を踏み入れると、光景は一変する。
バターが染み込んだ名物の小倉トーストはもちろん、出汁の効いたあつあつの茶碗蒸しが標準装備されている店舗は珍しくない。中には、自家製カレーや赤だしのお味噌汁、焼きそば、果ては季節のデザートまでセットになった豪華なお膳を提供する店も存在する。地元住民にとっては日常の光景だが、旅行者や取材陣にとってみれば衝撃以外の何物でもない。
なぜこれほどのコスパが実現できるのか。裏側にあるのは、地元の農家や食材卸との太いパイプ、そして家族経営による徹底した人件費の削減だ。利益率の高いドリンクで元を取りつつ、フードの原価を限界まで削って客数で稼ぐ。この薄利多売のビジネスモデルが、地元客の圧倒的な来店頻度によって支えられている。