あれから数年が経過した2026年現在、地上波テレビの制作現場はかつてないほどの緊張感に包まれている。BPO(放送倫理・番組向上機構)の監視の目は厳しくなり、少しでも差別的、あるいはハラスメントと受け取られかねない表現は、企画段階で徹底的に排除されるようになった。
しかし、この徹底したリスク回避姿勢は、制作現場に別の歪みをもたらしている。「何を書いても怒られる」「無難な番組しか作れない」というクリエイターたちの悲鳴だ。行き過ぎた自主規制が、テレビというメディアの牙を抜き、結果として視聴者のテレビ離れを加速させているという皮肉な現実も浮かび上がっている。