古都奈良の文化財の一部として世界遺産に登録されている東大寺。その象徴である南大門と金剛力士像を未来へと継承するための取り組みは、いま新たな局面を迎えている。文化庁の指導のもと、専門家チームによる定期的な保存修復作業や防振・虫害対策が継続的に進められている。
木造文化財にとって、近年の気候変動や巨大地震のリスクは切実な課題だ。現代の文化財保護の最前線では、伝統的な修復技法を尊重しつつ、環境センシング技術を用いた状態監視や構造補強のシミュレーション技術が積極的に導入されている。800年前の職人技を守るため、現代の知恵と科学が惜しみなく注ぎ込まれている。