物語の核心を握るのは、主人公・小山門出(門出)と親友の中川凰蘭(おんたん)の特異な関係性です。ハイテンションで破天荒なおんたんと、一見大人しそうに見えながら内に危うさを秘めた門出。二人の友情には、物語序盤からは想像もつかない巨大な伏線が隠されていました。
中盤で明かされる最大の衝撃は、現在の世界が実は「おんたんがタイムリープによってやり直した2周目の世界」であるという事実です。1周目の世界において、門出は幼少期に侵略者(宇宙人)の不思議な道具を手に入れ、いじめっ子たちを次々と消去してしまうという過ちを犯していました。その罪悪感と孤独に耐えかねた門出は、自ら命を絶ってしまいます。
最愛の親友を失った絶望の中、おんたんは侵略者のタイムマシンを使い、「門出が死なない世界」を作るために過去へ戻りました。おんたんが常に振る舞っていた奇抜な言動や「悪の絶対少女」というキャラクターは、門出の精神的な崩壊を防ぎ、世界の悪意から彼女を守るために意図して被り続けた仮面だったのです。世界が滅びようとも門出だけは救うというおんたんの狂気にも似た愛情が判明した瞬間、物語の全貌が一気に結実します。