テレビ史において「土曜夜」のドラマ枠は、数々の番組改編と枠移動のドラマを経験してきました。多くの視聴者が「土曜のドラマといえば日テレの9時」というイメージを持ち続けていますが、2017年4月の改編により、かつての「土曜ドラマ(土9)」枠が22時台へと移動し、現在の「土ドラ10」の基礎が築かれました。
一方、公共放送であるNHKが手掛けるNHK土曜ドラマ歴代作品群は、1970年代から続く金字塔です。『ハゲタカ』や『監査法人』、『空白を満たしなさい』など、全4話〜6話前後の凝縮されたスケールで描く社会派サスペンスや骨太な人間ドラマは、民放のエンタメ路線とは明確な一線を画してきました。
ネット上では「世帯視聴率が一桁だから失敗作」といった短絡的な言説が散見されますが、これは大きな誤解です。現代の編成方針は、家族全員で受動的に見る番組から、個人が熱狂して能動的に拡散・リピート視聴するコンテンツへとシフトしており、土曜10時枠はその最先端の実験場として機能しています。