スキャンダルの逆風を乗り越え、大野智は表現者として圧倒的な実力を証明し続けた。2017年公開の『映画 忍びの国』で見せた超絶的な身体能力と虚脱感を併せ持つ演技は、映画界でも高く評価され、嵐のリーダーとしての絶対的な存在感を誇示した。歌唱力、ダンススキル、アートの才能。あらゆる分野で異彩を放つ彼を、ファンのみならず業界関係者も称賛し続けた。
だが、その栄光の裏で本人の心身は限界へと近づいていた。Netflixで世界配信されたドキュメンタリーシリーズ『ARASHI's Diary -Voyage-』では、グループ活動休止に至る苦悩と葛藤が赤裸々に描かれている。「自由な生活をしてみたい」という大野の率直な言葉は、10代から巨大なエンターテインメント装置の象徴として消費され続けた人間の、魂の叫びであった。過去の報道被害や常に監視される息苦しさが、彼の「一度立ち止まりたい」という願いに影を落としていたことは想像に難くない。