日本相撲協会が定める大相撲の厳格な番付制度において、大関という地位は極めて特別な特権と重責を伴う。一度就任すれば、一場所負け越しただけでは即座に陥落することはない。しかし、その猶予はたった一場所に過ぎない。年間六回行われる本場所で、15日間中8勝以上の「勝ち越し」を収められなかった場合、翌場所は自動的に角番に指名される。
角番の場所で再び負け越し(あるいは休場により8勝に届かない状態)が決まった瞬間、大関の座はその手から容赦なくすり抜ける。勝ち越せば角番は即座に解除され、本来の大関として白紙の状態に戻るが、負け越せば関脇へと転落する。この明確で容赦のない二者択一こそが、土俵上に異様な緊迫感をもたらすのだ。