大人の知的障害や認知特性を正しく把握するためには、主観的な思い込みではなく客観的な心理検査が不可欠だ。かつてアメリカの心理学者デビッド・ウェクスラーが開発した知能検査の系譜は、現代において高度に洗練されている。
現在、精神科や医療機関で標準的に用いられているのがWAIS-IV成人知能検査である。この検査では単なる「総合IQ」だけでなく、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリ」「処理速度」という4つの指標から個人の強みと弱みを多角的に浮き彫りにする。例えば、ワーキングメモリが極端に低い場合、複数の指示を一度に処理できずにパニックを起こしやすい。客観的な数値として己の特性を知ることが、無用な自己批判を止める鍵だ。