子宮を摘出し、自らの子どもを持つ可能性が完全に断たれたとき、彼女の心に芽生えたのは夫に対する計り知れない罪悪感だった。「彼に自分の子どもを抱かせてあげられなかった」「彼にはまだ、父親になれる未来があるはずだ」。その思いが、彼女をひとつの決断へと突き動かしていく。
2018年、2人は離婚に合意した(戸籍上の届出は2019年に完了)。憎しみ合っての別れでは決してない。むしろ、相手の人生の幸せを誰よりも願うからこそ選んだ別離だった。離婚後、元夫が新たなパートナーと出会い、再婚して子どもを授かった際、大黒摩季はその誕生を心から喜び、自らベビーベッドや贈り物を届けたという。世間一般の常識では測れない、純粋な利他と慈愛に満ちた「究極の愛の形」がそこにあった。