近年、城郭への視線はドラスティックに変化した。エミー賞を席巻したハリウッド制作ドラマ『SHOGUN 将軍』や、徳川家康の生涯を新たな視点から描き直した大河ドラマ『どうする家康』の影響は計り知れない。Netflixをはじめとするグローバル配信プラットフォームによって、かつて一部の歴史ファンに限られていた関心は、世界的な歴史ツーリズム・観光産業の起爆剤へと進化した。
訪れる旅行者たちの眼差しは極めて鋭い。単に「有名な城だから」と記念写真を撮るだけでは満足せず、豊臣秀吉が築いた権力基盤の地理的特性や、徳川家康がなぜあれほどまでに大坂の地に脅威を感じていたのか、その力学を体感しようとする。映像を通じて描かれた戦国武将たちの心理戦やリアリズムが、城郭というリアルな巨大空間とリンクした瞬間、天守閣は単なる観光名所から、激動の追体験フィールドへと変貌を遂げる。