境内の急坂を登りきった先に突如として姿を現すのが、国の重要文化財に指定されている「多宝塔」だ。元和6年(1620年)に建立されたこの塔は、辻藤兵衛らの寄進によって建てられたもので、江戸時代初期の優れた木造建築技術を今に伝えている。
高さ約12メートルの気品ある姿は、周囲のモミジやスギの巨木と見事に調和している。多宝塔の周囲から見下ろす嵐山の街並みと、遠くに広がる京都盆地のパノラマは圧巻の一言だ。季節ごとに表情を変える建築美と自然の融合は、写真を撮影する旅行者にとっても最高のスポットとなっている。