なぜ射精がリスク低減につながるのか。最も有力な説が「前立腺液の滞留防止(パイプ掃除)仮説」だ。前立腺は、精液の一部となる分泌液を作る臓器である。この分泌液の中には、体内で発生した老廃物や、場合によっては発がん性物質が含まれている可能性がある。定期的な射精によってこれらの物質を体外へ排出することが、前立腺の細胞がダメージを受けるのを防ぐと考えられている。
また、射精時に分泌されるホルモンや、局所の血流改善も無視できない要素だ。骨盤底筋群の収縮と弛緩は、前立腺周囲の微小循環を活性化させ、慢性的な炎症を防ぐ効果も期待できる。体内の「ゴミ」を定期的に洗い流すシステムが、私たちの身体にはあらかじめ備わっているのだ。