紙と印鑑に依存してきた手続きの景色は、いま激変の渦中にある。デジタル庁の号令のもと進められる行政デジタルトランスフォーメーションにより、オンライン上での代理人設定が急速に普及し始めた。
行政サービスの総合窓口であるマイナポータルでは、マイナンバーカードを用いた電子署名によって、親族や支援者がオンラインで申請を代行できる「代理人機能」の拡充が進む。また、省庁を跨ぐ許認可や申請を統括するe-Gov(電子政府の総合窓口)でも、デジタル認証を前提とした委任のワークフローが標準化されつつある。
とはいえ、全ての国民が一足飛びに完全デジタルへ移行できるわけではない。不動産売買や重度要介護者の財産管理など、高度な本人確認が求められる場面では、依然として法務省が管轄する厳格な紙の委任状と印鑑登録証明書のセットが最強の防壁として機能し続けている。電子とアナログ、双方の作法に通じておくことが求められる時代だ。