当時の鑑定会に実際に足を運んだ相談者たちの証言や、ネット上のコミュニティ(5ちゃんねるや知恵袋など)に残された記録を精査すると、テレビで見せていた豪快な姿とは全く異なる、計算し尽くされた心理操作の現場が浮かび上がってきます。
実際に母親の病気平癒を願って個人鑑定を受けた50代女性の手記によると、細木氏は相談内容を聞くや否や「あんたの先祖が血を流して泣いている」「このままでは年内に母親は死に、あんたも不幸になる」と激昂。動転して涙を流す相談者に対し、同席したスタッフがすかさず「救われる道はこれしかありません」と、数百万円の墓石や供養壇のパンフレットを提示したといいます。
このように、相手の自尊心や判断力を怒声によって奪い、極度の不安状態(パニック)に追い込んだ上で、唯一の解決策として高額な商品を差し出す手法は、カルト宗教やマインドコントロールの典型的な手口と一致します。テレビ番組で披露していた「歯に衣着せぬ毒舌」は、視聴者には痛快な娯楽に見えていましたが、鑑定の密室においては相談者の財布の紐を緩めさせるための極めて残酷な武器として機能していたのです。