長年にわたり8割を超える驚異的な支持率を維持してきたノルウェー王室だが、その神話は過去のものとなりつつある。NRK(ノルウェー放送協会)が実施した最新の世論調査では、君主制の維持を支持する国民の割合が急落し、歴史的な低水準を記録した。特に10代から20代の若年層における支持離れは顕著で、過半数が将来的な共和制への移行を支持、あるいは容認する姿勢を示している。
この激震の渦中にあるのが、高齢と度重なる健康不安を抱えるハーラル5世の存在だ。国民から絶大な個人的敬愛を集めてきた老王の存在こそが王室の防波堤となってきたが、王位継承が秒読み段階に入るなか、次代を担うホーコン王太子へのバトンタッチは極めて険しい道のりとなっている。
国民が求めているのは形骸化した儀礼ではない。税金によって賄われる特権階級が、現代の法と倫理規範を守れるのかという極めて実利的な問いだ。ホーコン王太子がどれほど誠実な公務を重ねようとも、身内から噴出する不祥事の火消しに追われる現状では、王室の求心力低下を食い止める決定打は見出せていない。