内田真礼の声優経歴を語る上で欠かせないのが、2012年に放送された京都アニメーション制作『中二病でも恋がしたい!』の小鳥遊六花です。眼帯にゴスロリ風の衣装を纏い、痛々しくも愛らしい妄想の世界に生きる六花を、彼女は生命力あふれるトーンで熱演しました。当時のオーディションやインタビューにおいて、音響監督から「飾らない自然な感情の揺らぎ」を高く評価されたエピソードは有名です。単なる記号的な萌えキャラにとどまらず、家族の喪失という重いトラウマを抱えた少女の葛藤を生々しく演じ切ったことで、第8回声優アワード新人女優賞の受賞へと繋がりました。
しかし、彼女の真価はヒロイン役の定着にとどまりませんでした。業界関係者や視聴者を驚愕させたのが、2019年の『約束のネバーランド』におけるノーマン役への抜擢です。脱獄計画の頭脳を担う聡明な少年・ノーマンを演じるにあたり、内田は普段の地声よりも数段低いトーンを採用。過酷な環境で仲間を守るために自らを犠牲にする悲壮感と、冷徹なまでの知性を抑えめの芝居で表現し、少年役としての新境地を開拓しました。
さらに、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(はめふら)』のカタリナ・クラエスでは、脳内会議の5人(強気、弱気、ハト派、議長など)を1人で演じ分ける職人技を披露。コミカルなドタバタ劇を成立させる抜群のリズム感は、制作現場のクリエイター陣からも「内田真礼以外には成立し得ない芝居」と絶賛されました。