ワインの世界で長く語り継がれてきた「肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワイン」という定説は、現代のペアリング理論では部分的な正しさに過ぎないとされています。
たとえば、マグロの赤身やカツオのタタキ、醤油や味噌を使った魚料理には、軽快な赤ワイン(ピノ・ノワール等)が好相性を示します。逆に、豚肉のソテーやクリームソースを添えた鶏肉料理には、樽熟成を施したコクのある濃厚な白ワイン(シャルドネ等)を合わせたほうが調和します。料理の素材そのものよりも、ソースの風味・調理法・油脂分の重さにワインの骨格を合わせることがマリアージュの鉄則です。
また、保管や供出時の適正温度・飲み頃にも注意が必要です。赤ワインは冷やしすぎるとタンニンの渋みが固く強調されるため14℃〜18℃の常温前後が理想とされ、白ワインは温度が上がると酸味がぼやけるため7℃〜12℃程度にしっかり冷やすことでシャープな輪郭が引き立ちます。
あわせて知っておきたいのがロゼワインとの違いです。ロゼワインは黒ブドウを短時間だけ果皮と一緒に醸造し、淡いピンク色がついた段階で果汁を分離して発酵させる「セニエ法」などが主流です。赤のコクと白の爽やかさを併せ持つ万能選手として評価されています。さらに昨今話題の有機ワイン(ビオワイン)の評判については、「自然派だから飲みやすい」という一括りのイメージだけでなく、亜硫酸塩の添加制限による独特の還元香や果実味のピュアさなど、銘柄ごとの個性を理解して楽しむ愛好家が増加しています。