野口さんは単にお笑いが好きな小学生というレベルにとどまりません。落語の演目から深夜ラジオ、プロの芸人の芸風までを冷静に批評・分析するプロ級の鑑賞眼を持っています。小学生女子がお笑い芸人のサイン色紙やブロマイドを熱心に収集する姿は、放送当時非常に斬新でした。
なぜ野口さんはここまでお笑いに傾倒しているのでしょうか。劇中描写からは、陽気で芸達者な祖父・笑助の影響を色濃く受け継いでいることが示唆されています。それ以上に重要な構造的背景として、作者・さくらももこ氏自身のお笑いに対する深い造詣と偏愛が野口さんに託されているという側面があります。クラスの主流派から一歩引いた位置で人間を観察し、日常のズレを嗤う野口さんの視座は、作家・さくらももこの観察眼そのものと言えます。