破竹の快進撃を続けていた赤井英和さんに、突如として過酷な運命が襲いかかります。1985年2月、世界再挑戦への前哨戦として臨んだ大和田正春選手との一戦。激しい打撃戦の末、7回KO負けを喫した赤井さんは、控室に戻った直後に意識不明の重体に陥りました。
搬送先の病院で下された診断は急性硬膜下血腫および脳挫傷。極めて危険な状態で、生存率はわずか20%、助かっても重い後遺症が残る可能性が高いと宣告されました。医師団による懸命の緊急開頭手術が行われ、奇跡的に一命を取り留めたものの、頭蓋骨の一部を外して脳の腫れを引かせるという壮絶な大手術でした。
驚異的な生命力で回復を果たした赤井さんでしたが、リングへの復帰はドクターストップ。通算戦績21戦19勝(16KO)2敗という輝かしい記録を残し、25歳の若さでボクサー人生にピリオドを打つこととなりました。