医療現場の取材を進めると、外来を訪れる患者の口からは切実な日常の苦悩が語られます。都内の足の外科専門クリニックに勤務する理学療法士は、現場の傾向を次のように明かします。
「40代から60代の男女を中心に、朝の恐怖を訴える方が年々増加しています。『朝目が覚めた瞬間、トイレに行くための一歩が怖くてベッドから出られない』『床に足をついた瞬間に叫びそうになり、毎朝ハイハイで移動している』という声は決して大げさではありません。知恵袋やSNSなどのコミュニティを見ても、『足裏の激痛のせいで朝の家事や通勤が地獄』という投稿が連日溢れています」
患者層の動向を追跡すると、近年は特定の傾向が浮かび上がってきます。かつてはマラソンランナーや長距離走の愛好家、あるいは長時間の立ち仕事に従事する労働者に多い疾患とされていました。しかし、在宅勤務の定着や長時間のデスクワークに伴う運動不足で「足裏のアーチ機能が低下した一般会社員」の罹患率が跳ね上がっています。
外反母趾や偏平足の進行によって足裏の衝撃吸収システムが破綻し、日常のわずかな歩行負荷にすら腱膜が耐えられなくなっている現実が浮き彫りになっています。