産休手当(出産手当金)の支給額を導き出すには、まず健康保険法で定められた明確な計算式を理解する必要があります。基準となるのは直近の給料そのものではなく、加入する健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)に登録されている標準報酬月額の計算方法です。
基本的な算出式は以下の通りです。
【1日あたりの支給額】= 支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額 ÷ 30日 × (2 / 3)
(※50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は切り上げ)
ここで算出された日額に、実際に休業した日数を掛け合わせた金額が総支給額となります。標準的な産前産後休業期間の日数計算では、単胎妊娠の場合「産前42日(多胎妊娠の場合は98日)+ 産後56日 = 合計98日」が基本となります。仮に出産が予定日より遅れた場合は、その遅延した日数分も産前休業として手当の支給対象日に追加されます。
以下の比較表は、月収ごとの概算支給額と、通常給与の手取り額に対する実質的な受給割合をシミュレーションしたものです。
通常勤務時の給与からは厚生年金、健康保険、雇用保険、所得税、住民税が差し引かれ、額面の約75〜80%程度が実際の手取りとなります。一方、出産手当金は非課税所得であり社会保険料もかからないため、給付額そのものが純粋な手取りとなります。この税制上の優遇措置により、表面上の「3分の2給付」という数値以上の手元資金が確保されます。