チャーハンと焼き飯を区別する上で、調理科学の観点から最も分かりやすい基準となるのが卵を投入するタイミングです。
中華料理の王道であるチャーハン(炒飯)は、高温に熱した中華鍋に油を注ぎ、溶き卵を入れた直後の半熟状態のところへご飯を投入します。米粒のひとつひとつを卵のコーティングで包み込み、強火で一気に煽ることで、米同士がくっつかず黄金色の「パラパラ」とした食感に仕上げるのが基本設計です。
対して日本の伝統的な焼き飯は、先にご飯をフライパンや鉄板で炒め、具材に火が通った段階で卵を加える、あるいは卵を具材の一部として後から混ぜ合わせる手順を踏みます。場合によっては卵を一切使わずに野菜と肉だけで香ばしく焼き上げるスタイルも焼き飯の範疇に入ります。ご飯の水分を飛ばしながら焼き目をつけ、お米本来のもっちり感と香ばしさを引き出す点に、調理思想の根本的な違いがあります。