現在、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)の指針(GP4-A2)や国際標準化機構(ISO)が定める標準的な真空管採血の順序は、コンタミネーションの連鎖を断ち切るために厳密に体系化されています。臨床で迷いが生じた際は、以下の絶対的フローに従う必要があります。
【標準的な採血順番】
1. 血液培養ボトル(好気性/嫌気性)
2. クエン酸ナトリウム管(凝固検査)
3. 血清用管(生化学・血清分離剤入りスピッツ、感染症など)
4. ヘパリン管(迅速生化学、染色体検査等)
5. EDTA管(血算、HbA1c、血液型など)
6. フッ化ナトリウム管(血糖検査)
採血完了直後における転倒混和回数の遵守も、検査結果の信頼性を担保する両輪です。多くの新人が誤解しがちですが、転倒混和は「激しく振る」ことではありません。スピッツを上下180度反転させ、気泡が端から端まで移動する動作を「1回」とカウントし、緩徐に行う必要があります。急激なシェイクは赤血球の細胞膜を破壊し、溶血によるカリウムやLDHの異常高値を招きます。
具体的には、凝固スピッツでは薬剤との迅速な融和を図るため4〜5回、生化学用スピッツでは凝固促進剤を行き渡らせるために5回程度、そしてEDTA管や血糖管では微小な凝固塊(マイクロクロット)の発生を完全に防ぐために8〜10回の穏やかな混和が必須となります。採血終了後にスピッツをトレイに放置することは、検査室に届く前に検体を死滅させる行為に等しいと認識しなければなりません。