船岡久嗣氏は早稲田大学政治経済学部を卒業後の1999年、NHKにアナウンサーとして入局しました。岡山、岐阜、名古屋、東京アナウンス室、金沢、そして札幌と主要拠点を歴任してきた実力派です。
特に高く評価されていたのがスポーツ実況アナウンサーとしての卓越した技量でした。大相撲中継では力士の立ち合いの機微を的確なボキャブラリーと重厚な美声で描写し、相撲ファンからも「聴きやすさ抜群の職人アナ」と絶賛されていました。さらに、北京オリンピックをはじめとする国際大会の中継でもメイン実況を任されるなど、将来のアナウンス室幹部候補として誰もが一目置く存在だったのです。
それだけに、確固たる地位と高いアナウンス技術を持ったトップランナーが自らの衝動によって人生を暗転させた事実は、放送関係者や多くの視聴者に深い失望を与えました。