興行収入を背負う大規模な商業映画から、作家性を前面に打ち出したインディペンデント作品まで、その出演歴のバランスは極めて戦略的であり、同時に純粋だ。東宝が主導する全国規模のメジャー配給作で見せる華やかな求心力と、地方ロケで少数精鋭のクルーとじっくり作り上げるアート系作品で見せる生々しい息遣い。その双方を行き来できる柔軟性は、現在の日本映画界において稀有な価値を持つ。
日本映画監督協会に所属するベテラン監督から若手インディーズの旗手まで、幅広い作り手が彼女との仕事を熱望する。「彼女が画面に映るだけで、フレーム内の情報密度が一段上がる」。ある映画評論家がそう評したように、台本に書かれていない余白を埋める表現力は、監督たちにとって創作の自由度を何倍にも広げてくれる信頼の証となっている。